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大飯島モトハル
大コレクション展
とはなんだったのか?
水野しず 「しずちゃん殺す」
水野しずさんの作品である。水野しずさんは、なんだかよくわからない人だ。ミスiDを取ってモデルをやっているので「芸能人」であるような気はするのだが、モデルが本業ではないようだしかといってタレントやアイドルかというと何か違和感がある。月並みな表現をすると「水野しず」をやっているのが水野しずさんなのだろう。この作品を出展しようと決めた時に随分悩んだものだ。一人の作家の作品として紹介したいのだけれど本人が魅力的なのでどうしてもパーソナリティも一緒に展示したい。だけどそれは作家としての彼女を貶めることにはならないか。悩んだ末に自分を緩衝材にしてエピソードを展開しながら紹介することにした。
正直、エピソードを添えて展示というのはクソダサいと思う。でもそれは「作家がやったら」という話である。コレクターとして展示をする場合はむしろ推奨される行為になるのではないかと思っている。作家がやるとイタイ自分語りになって共感を得ても得なくてもしょっぱいことになるが、コレクターがストーリーと共に展開するといい塩梅に客観性が効いてくる。自分をだしにして水野さんのパーソナリティーを紹介して作家としての彼女につなげるのだ。どうだ。と思ったのだけど、展示に本人がやってくるともうみんな水野に夢中である。うう、すごいタレント性だ…。「本人が魅力的過ぎる」というのは作品にとってプラスにもマイナスにもなる。もっと頭脳の優れた人にキチンと「水野論」を書いてもらいたいものだが、そうすると本人が出てきてぶっ壊してしまうような気もする。それも含めて見たい。全部見たい。
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