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ぼく脳 「箱の中身はなんだろな『答えは過去』」

  意外にも人気が高かった作品である。「意外にも」と言っては失礼か。作品の魅力は高いのだけれど、私の手が結構加わっていて私の作為がわかりやすい。その理解しやすさが人気につながったのかもしれない。

​  この作品、オリジナルは既に失われている。購入した日の夜に入った居酒屋で新人店員が中生ジョッキ三杯を全部私のカバンにぶち込んで、中に入っていたオリジナル作品は完全にびしょ濡れになって溶けてしまったのだ。その後、オリジナル作品は居酒屋が「破棄しない」と言ったのに破棄してしまい完全に失われてしまった。その後、私が作者にもう一度同じ作品を作ってもらった。右側は作家本人によるレプリカ、偽物なのだ。そして左側は「失われた事実」も気に入った私がレプリカを更に複製して破棄される直前の状態を再現したのだ。この作品を見て「デュシャンの大ガラスじゃん!」と言われたが、確かにコンセプトが似てしまった。見た目は全く違うけれど。その辺の古典的現代アートっぽさもまた人気の一助になったのかもしれない。

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