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梅沢和木(?) 「キャラ出処のカオスの贋作」

 本展覧会でかなり重要な位置を占める作品である。三枚一組の作品で真ん中が梅ラボの「」の贋作で元は100号の絵を中国の贋作師に頼んで8号に縮めてもらった。巨大な作品を強引に押し縮めたのでディテールが相当失われ曖昧だった著作権がますます曖昧になりその上左右が完全に失われている。向かって左側の女の子など真っ二つになってしまった。この偽者の絵画から創造性が展開されるところが見たい、そう思った私は左右がなくなったのを幸い無くなった部分とその先を名もなき実昌さんに描いてもらうことにした。するとどうだろう。絵の1/3くらいで梅ラボ感がなくなりそこから実昌さんの絵になっていくではないか。これを見た作家は気持ちがわかるのだろう。「こんな細かい絵を描かされた贋作師さん可哀想」「実昌さんが1/3から自分の絵をスタートさせるのわかる」「グラデーションを使うのもわかる」と妙に共感されていた。実昌さんは直接カオスラウンジの薫陶を受けていないにも関わらず個人的にはカオスラウンジ第二世代っぽさがあると思っている。ついに文脈がつながり先の世代にも継承されていくのか、と感慨深いものがあった。そういう意味でも梅ラボ(?)から実昌さんの絵が続いていくところに面白味があるのではなかろうか。

  展示中は三枚並べてその連続性を見せていたがバラバラに見ても強度がある。むしろ名もなき実昌さんの実力は単体になった時に真の力を発揮しているような気がする。連続していながら高い独立性を持っている。流石だ。頼んで良かった。名もなき実昌はわしが育てた!(何もしていない)

名もなき実昌「RE:キャラ出処のカオス的風景」

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