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セーラームーンお札メモからの創作①

 全ての「オリジナル」として私が規定した文房具である。このあまりにも属性過剰なデザインを各作家に分解・再構成してもらうことにより各々の作家の「創造性」をコントロールしながら引き出せるのではないかとご協力いただいた。

 彼女の作品全体に通じる「カワイイ」を全面に押し出した作品である。やっぱりカワイイ。カワイイはドラッグだ。彼女の作るものは美術作品としての側面とイラストとしての側面も持っているので、いい感じで他と戦いにならないのかと思ったのだ。私の無茶振りにかなり振り回されたところがある。この展示の期間中は都内三箇所で展覧会が開催されていた。売れっ子だ。

 赤瀬川源平の「千円札事件」を下敷きに制作された作品である。美術としての文脈は考えられているが、一番人の話を聞いていない作品でもある。普通にお札じゃん。お札抱き枕じゃん。事前に聞いていた出展作品とも全然違った。ただ、これぐらいのことは織り込み済みなので全く問題ない。作家も出来に満足しているようなので良かった。展示のマスコットのような扱いになり、美少女が来たら胸に抱かせて写真に撮った。今回唯一の実用美術品である。

中山いくみ

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